『第1回北のまんが大賞』入賞作品

2016年度『第1回北のまんが大賞』入賞作品発表!

道では、北海道の魅力発信と次代を担う漫画家の育成支援に取り組むことを目的に、漫画の公募コンテスト「北のまんが大賞」を創設しました。初年度である今回は、全国から55作品の応募があり、選考の結果、大賞、準大賞等が決定しましたので、お知らせします。

大賞 『片道82円の転校生』ヤマモトマナブ(札幌市)

~ あらすじ ~
小学3年生の時に転校した初恋の彼女と、8年間文通を続けている高校生、佳一。
手紙の束をみた友人がある事実を発見したことから、二人の関係は急展開。

~ 選考コメント ~
高い画力と構成力、テーマである「北海道」を巧みに盛り込む力量など、その実力が高く評価され、見事大賞を獲得。

~ヤマモトマナブさんのコメント~
「北のまんが大賞」記念すべき第一回において賞を頂き、大変嬉しく思っています。
空気、人、時間の流れ…。漠然とした理由ですが、僕はこの北海道が大好きですので、本作が北海道の魅力発信に少しでもお役立ちできたなら幸いです。僕の作品を読んで「自分ならもっと面白い漫画を描けるぞ!」と沢山の方が立ち上がり、第二回、第三回と素敵な作品が発信されていくことを、そして北海道の漫画文化がますます盛り上がっていくことを、楽しみにしています。

準大賞 『北の縄文』村瀬 修(函館市)

~ あらすじ ~
営業成績が低迷するサラリーマン熊田は、仕事中に遺跡発掘現場に遭遇。発掘作業にのめり込んでいく熊田の人生に驚くべきビギナーズラックが訪れる。

~ 選考コメント ~
素朴で丁寧な描写と暖かみのある作風が高い評価を得た。世界遺産登録を目指す縄文文化を題材に選んだこともポイントの一つ。

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特別賞(応募順に掲載しています)
『コロポックル』青 空(東京都)

~ あらすじ ~
北海道の酪農家との結婚を考えている主人公 良子は、ある夜、夢の中に現れたコロポックルに北海道の冬の厳しさ等をイヤと言うほど教えられる。 戸惑う良子が下した決断とコロポックルの正体は。

~ 選考コメント ~
恐怖感に満ちた扉絵、矢継ぎ早に繰り出される顔芸やオリジナリティあふれる 妖怪達など、インパクトのある作風が興味と評価を集めた。 ラストについては、無理にまとめる必要はないのでは、との意見もあった。 また、若手女性農業者の活躍や、やりがい・楽しさなど、もっと北海道の魅力を発信する観点が欲しい。

『Wrapping』安齋 萌(上磯郡木古内町)

~ あらすじ ~
高3の「こうた」と「なつみ」は、卒業式を迎えても素直に気持ちを伝えきれないまま、再会を約束し、こうたは上京する。 そして4年が経過して・・・。

~ 選考コメント ~
簡略したラフな描線だが、二人の世界観や街の匂い・空気感が伝わり、作者のセンスの高さが窺える。 集中力の高いコマと切れたコマの落差が大きいのが残念。 絵については、もっと多くの作品を描くことで磨かれてくるだろう。

「ニセコの森で』工藤 正樹(札幌市)

~ あらすじ ~
二セコへのドライブ中に、痩せた仔ギツネに出会った親子。餌をあげようとした時、通りがかった地元の運転手から厳しく制止され、 納得のいかない子ども達だが、心配して現場に戻ってみると。

~ 選考コメント ~
絵柄やペンタッチ、作風が飛び抜けて個性的と評価された。 目を引く絵柄なので、様々なジャンルに挑戦してほしい。

審査員特別賞 『アイヌモシリ~神々と住む大地~』キラ・ライラ(神奈川県)

~ あらすじ ~
コロポックルの男の子ポロが、神々とともに生きる人々の大地、神話の国北海道を案内する物語。

~ 選考コメント ~
暖かみのあるすてきな作品。資料等を調べ上げた感じも伝わってくる。 不思議と何度か読み返したい魅力を感じる、絵本の様な作品。 作者の着色作品も読んでみたい。

選考経過

一次選考(10月~11月)
いらがしゆみこ氏ほか6名により、専門的な視点で選考(55作品→14作品)。
二次選考(11月~12月)
一次選考メンバーに観光業界、書店、主催者などを加え、幅広い視点から入賞作品候補を選考。
入賞作品の発表(1月)
大賞1件、準大賞1件、特別賞3件、審査員特別賞1件を発表
※ 主な選考メンバーと代表作※
いがらしゆみこ 氏『キャンディ・キャンディ』・北海道MANGA交流会会長
いがらしなおみ 氏『クルミくん』
中 山  昌 亮 氏『後遺症ラジオ』
渡 辺  カ ナ 氏『ハンキー・ドリー』
鴨   修 平 氏『GANGSTA:CURSED.』
三 守  小百合 氏 「札幌乙女ごはん」編集担当/(有) エアーダイブ